お葬式後の手続きについて

身近な方が亡くなり、悲しみの中、無事にお葬式を済ませて一安心。でも、人が亡くなるとやらなければいけない事がたくさんあります。たとえば、役所での手続、通帳口座の解約、各種名義の変更、生命保険の手続、ローンの支払いなどです。簡単なポイントをご説明します。

役所の手続
一言に役所の手続と言っても1つの役所で全ての手続ができるわけではありません。市役所(区役所)では、各保険証・印鑑登録証の返納や葬祭費の請求(国保の場合)、故人の戸籍取得も必要になるでしょう。社会保険事務所では年金の手続を行います。故人の年金の停止や遺族年金の請求などですね。 税務署では準確定申告をする必要もあり、不動産がある場合は、法務局で登記申請をしなければいけません。自動車がある場合は、運輸支局での手続が必要になります。

各金融機関の口座解約
故人の口座は凍結(停止)してしまいますので、家族でも預金を引き出事ができませんし、今まで引き落としになってた公共料金の支払もできなくなってしまいます。 この場合、口座の解約か名義変更が必要になります。

不動産の名義変更
これは、法務局での登記申請が必要になります。これをしないで放っておくと後からとんでもなく面倒な手続をしないといけなくなる事があります。

相続人の確定
口座の解約でも不動産の登記でも必要になるのが相続人の同意です。『相続人は私です。』と言っても役所は認めてくれません。では、どうしたら相続人だと確定できるのでしょうか。

 1.故人の出生(15歳程度まで可の場合あり。)まで戸籍を遡って取得しなければいけません。戸籍は本籍地の市役所等でなければ取得できないので、遠方には郵送で請求したりなど時間もかかりますし、相続人の数によっては戸籍が何十枚となる場合もあります。

 2.そこから配偶者、子(前の配偶者の子も該当する)、父母、兄弟と該当する相続人を確定しその者の戸籍も取得する。

上記1.2にの戸籍等によって役所等で相続人の確定を証明することができます。

公共料金等(ガス代、電話料金など)の名義変更
故人の名義のままでは引き落としになってた口座は停止して使えませんので、早々に同居している方の名義に変更する必要があるでしょう。

遺言書があった場合
○自筆証書遺言の場合
発見した時点で、封印のあるものをそのまま開封してはいけません。この場合、家庭裁判所で検認手続が必要になります。もし検印手続しないで開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられる場合があります。でもなぜ検認が必要なのでしょうか? それは、遺言書の偽造・変造を防ぐためです。また、遺言書を故意に隠したり破棄すると、相続欠格として相続権を失うこともあります。

○公正証書遺言の場合
公証役場で原本が保管されていますので、問い合わせて確認することもできます。    
■遺言で自分に相続分がないとされていた場合でも、亡くなった方の配偶者・子供なら相続できる可能性があります。(遺留分)

■「民法で決まっている相続人とその相続分について相続人になる可能性のある者」については下記の通りです。

  • 亡くなった者(以下、被相続人)の旦那又は嫁(以下、配偶者)は、常に相続人となる。
  • 被相続人の子
  • 被相続人の直系尊属(親、祖父母)
  • 被相続人の兄弟姉妹

ただし、全員がなるわけではありません。前述の通り、配偶者は常に相続人となります。配偶者以外の順位は、第1順位が子、第2順位は親、第3順位が兄弟姉妹となります。

相続人 相続分
配偶者のみ 全部
配偶者と子 各2分の1
配偶者と親 配偶者3分の2 親3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3 兄弟姉妹4分の1